包茎の基礎知識:仮性包茎とは
思春期になるとともに多くの男性を悩ませるものに包茎があります。このままでいいのか気にはなるものの、親や友達にもなかなか聞きにくい分野の話なのでついそのまま無かったことにしてしまいがちですが、放置しておくとあとから面倒なことになる場合があるので、早めに対処する必要があります。
仮性包茎の状態
包茎には大きく分けて「真性包茎」と「カントン包茎」「仮性包茎」の3種類があります。そのうち真性包茎とカントン包茎の2つは、男性器の先端部分の包皮輪という箇所が小さいことが原因によるもので、真性包茎は勃起時と非勃起時に関わらず手で包皮を剥いても亀頭が露出されない状態のことで、カントン包茎は手で皮を剥き亀頭を露出することができますが締め付けられ痛みが生じ、皮を元に戻せない状態のことを指します。何れも治療が必要と判断されているため、医療機関で治療を受けた場合は健康保険が適用されます。仮性包茎はこの2つと全く異なり、勃起時と非勃起時に関わらず手で包皮を剥いて亀頭を出すことができますが、包皮の長さが長いために日常的には常に皮が被っている状態です。ほとんどの小児はこの状態で、一般的には成長が著しい中学生から高校生あたりにかけて自然に包皮が剥けてくるようになりますが、この時期を過ぎても皮が被ったままの状態である場合を仮性包茎と呼び、日本人の成人男性の多くが仮性包茎だと言われています。基本的に手術の必要はありませんが、成人を過ぎて他人と自分の男性器を比較して恥ずかしい思いをしたり、性行為上の問題など日常的な問題や悩みがある場合には包皮切除手術を受けることにより改善します。しかし、仮性包茎は手で包皮を剥いて亀頭を露出させることに困難はなく、男性としての機能にも全く問題がないため治療の対象とはならないことから、医療機関で治療をしても健康保険は適用されません。
仮性包茎のデメリット
このように、包茎にはさまざまな問題があるものの、仮性包茎は基本的に日常生活上に問題がないため軽視されがちな傾向にありますが、いくつかのデメリットがあります。まず挙げられることが衛生面の問題で、常に包皮に包まれていることから尿や精液、皮膚から排出されるアカなどによって常に湿っている状態となるため、雑菌の繁殖やそれによる感染症を引き起こす恐れがあることや、悪臭の原因となったり尿路感染症や性病発症のリスクを高める可能性が確認されています。他に、性行為をするときにもデメリットはあります。仮性包茎の場合は通常皮によって亀頭が覆われているため、下着のこすれなども含めた刺激にとても弱くなっています。性行為を行うときは亀頭が剥き出しになるため、外部からの少しの刺激で必要以上に感じてしまい早漏になりやすくなっています。女性を満足させるような性行為が出来ない場合、嫌われてしまう原因にもなりかねません。また、長く続けなければならないということがプレッシャーになってしまうと、精神的なストレスによりEDと呼ばれる勃起不全を発症してしまうこともあり、治療が必要になる場合もあります。更に、日本人に多いながらも包茎は「恥ずかしい」という認識が一般的に浸透しているため、女性のみならず男性からも軽んじて見られてしまうことや、嘲笑の対象となってしまうこともあります。公衆浴場などに足を運べない、自分に自信が持てなくなるなど心理的な面でもデメリットがあると言えるでしょう。
仮性包茎治療の流れ
真性包茎と異なり、仮性包茎の場合は自分で治療することも可能です。その方法は、常に意識して皮を剥いた状態にしておくことで、剥き続けることでクセをつけるようにします。トイレに行くたびに皮を剥いて、なるべくその状態を維持するようにすることで改善することができますが、これを続けても改善されなかったり、日常生活に支障をきたすような場合は医療機関での治療が必要となります。ただし、治療といってもすぐに手術となる訳ではありません。まずはカウンセリングにより男性器の状態を把握し、まずは切らない治療から始めるという流れが多くなっています。切らない治療には余っている皮を根元に集めて医療用接着剤で固定したり、特殊なナイロン糸で固定する方法や、シリコン製のリングを装着する方法があります。カウンセリングにより手術が必要と判断された場合は、環状切開術や亀頭直下埋没法、根部環状切除術など、メスによる切除手術となります。最も一般的な方法である環状切開術は、亀頭に被ってしまう過剰部分を帯状に切り取り縫合する手術で、短時間で済むことや費用が5万円前後と安価なことが特徴です。ただし、皮膚の色が明らかに異なるため、手術跡として残ってしまう欠点があります。根部環状切除術は手術跡が目立たない自然な仕上がりになる仮性包茎患者向けの術式です。手術時間が長いことと費用が30万円前後と高額になるものの、根元の皮を切除するために手術跡が陰毛に隠れて目立たなくなるというメリットがあります。
まとめ
毎日少しずつ皮を剥くクセをつけておけば、速効性はないものの改善に向かうのが仮性包茎です。今すぐにどうにかしたいという場合は早急に専門医に診察してもらう必要がありますが、手術の場合はアフターケアが必要で完治まで生活に支障が出る場合もあるので、事前のカウンセリングでしっかりと確認しておくことが大切です。
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